技術

クロス職人がクロスをキレイに貼るコツ

クロス貼りコツ
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クロス貼りは内装の仕上げにあたるので、最終的にお客様の目に触れやすいもの。

可能な限りきれいに仕上げたいです。

きれいに仕上げるためには、作業中に気を付けたいポイントがいくつかあります。

今回はそのポイントと、施工時に気を付けたい事を合わせてご紹介します。

仕事が丁寧、きれいだと元請けさんからも信頼され、お客さんの満足度も上がります。

親方

キレイに貼れば施工後に補修に呼ばれることも無くなるね。

見習い君

クロスって、ただ貼れば良いってもんじゃないんですね!

クロス職人歴28年の親方が、クロスを貼る時に気を付けるポイントなので、DIYで自分でクロスを貼ってみたい人も参考にしてください。

クロス貼りで気を付けたい4つのポイント

クロスを貼る時に、気を付けて作業したいポイントは4つあります。

①つなぎ目

②天井や巾木との接点・枠周り

③入隅・出隅

④角をきれいに収める

では、この4つのポイントを順に説明していきます。

ポイント①クロス同士のつなぎ目

成功例

・クロス同士のつなぎ目がほとんどわからない

・柄が合っている(柄がずれていない)

失敗例

・クロス同士のつなぎ目が目立つ

・つなぎ目が開いている

・柄がずれている

クロスのつなぎ目が開いてしまう例

クロス同士のつなぎ目をきれいに仕上げるコツ

クロスのつなぎ目の位置に気を付ける

クロス同士のつなぎ目を、ボードのつなぎ目やビスの上と重ねないようにします。

特に、下地の石膏ボードのつなぎ目とクロスのつなぎ目が重なってしまうと、後になって「つなぎ目がぱっくり空いてしまう」などのトラブルにつながります。

つなぎ目が開かないような下地の処理をする

パテのサンダー処理後、パテ粉が下地の上に残ったままでは、のりの付きが悪くなるため、クロスが浮いたりつなぎ目が開く原因になります。

下地にパテ粉を残さないように掃除をしてからクロスを貼ることで防げます。

柄のあるクロスは特につなぎ目で柄が合うように気を付ける。

柄合わせの必要なクロスは、目線の高さの柄合わせを重視します。

柄のあるクロスを貼る

のりの水分を含んだクロスのは伸び縮みしやすい状態なので、必ずしも柄がぴったり合うわけではありません。

それを回避する方法として、一番目につきやすい場所は目の高さの柄を優先的に合わせ、そこを中心に上下へ柄を逃がして貼っていきます。

クロスはのりの水分を含んで伸びやすくなっているので、のばす方向へ行くほど柄がずれてしまいます。

上の方、下の方は多少ずれても普段は目に入りにくいです。

親方

もちろん柄物のつなぎ目は、上から下まできれいに柄が合うのが理想だね。

クロスのつなぎ目(ジョイント)のカットの方法は『クロス職人が知っておきたいジョイントのこと』で紹介しています。

ポイント②天井や巾木との接点・枠周り

成功例

・天井や巾木との接点がきれいに収まっている

失敗例

・切ったクロスの厚みがバラバラ

・すき間がある

天井や枠周りとの接点をきれいに仕上げるコツ

ヘラの厚みを残すようにしてカットする。

カットする前に、折り目が付くくらいしっかりとカット部分のクロスをヘラで押さえます。

ヘラを、カットするクロスに垂直にあてて、カッターでカットします。

この時、カッターの角度もヘラに対して垂直にあてます。

ヘラの厚みでカット

◆◆クロスの切り厚について◆◆

クロスの切り厚は0㎜、0.6㎜、0.8㎜、1.0㎜、1.2㎜、2㎜などがあります。

厚みはヘラを使い分けて調整。

どこにどの厚さを残すか、特に決まってはいません。

一般的には1.0㎜~1.2㎜が多いようです。

和室には2㎜を採用する慣例がありますが、接着面の材質によっては数か月後に浮いてくることがあります。

親方

個人的には

ドア・窓枠周りは1㎜、まわり縁・巾木上は0.8㎜にすることが多いです。

その時の状況に合わせて好みと経験で判断して厚みを決めます。

見習い君

だからヘラにはいろんな厚みがあるんですね!

カッターは、カットする場所で使い分ける

カットする場所に合わせてカッターを使い分けます。

ジョイント部分のカット:中刃 超鋭角黒刃

他の部分のカット:小刃 白刃

それに、カッターの刃先はよく切れるように小まめに交換します。

ポイント③入隅・出隅のふくらみに注意する

成功例

・入隅・出隅がきれいに収まっている

入隅と出隅

失敗例

・入隅・出隅に貼ったクロスがふくらんでいる

入隅の失敗例

入隅・出隅をきれいに貼るコツ

始めに右側・左側のどちらか一面を上から下まで納めます

その後、角をしっかり押さえてから、残りの面のクロスを貼り付けます。

入隅の角は下地がきれいに直角であればクロスのシワはよりにくいです。

入隅の角が直角でない場合、シワが寄りやすいので、入隅部分をカットしてかぶせる場合もあります。

建物によっては始めから入隅は曲げず、カットする方法を取り入れる会社も多いようです。

ポイント④角をきれいに収める

成功例

・角がきれいに収まっている

角がきれいな例

失敗例

・角付近のクロスがよれている

角をきれいに仕上げるコツ

角に対して右か左どちらか一方の面のクロスをねじらないようにしっかり貼り押さえ付ける。

もう一方の面の角付近のクロスをしっかり壁面に圧着する。

残りのクロスを圧着する。

クロス貼りで気を付けたいポイントまとめ

クロスを貼る時に、気を付けて作業したいポイントは4つ。

①つなぎ目

②天井や巾木との接点・枠周り

③入隅・出隅

④角をきれいに収める

この4つのポイントを押さえることで、クロスの仕上がりがきれいになります。

慣れないうちは作業に時間がとられてしまうかもしれませんが、全部貼り終えた後に補修する手間を考えたら、時間をかけても丁寧にやっておきたいところばかりです。