「クロス職人として独立して仕事を続けたい!」と考える時にぶつかるのが「どうやって仕事をとるのか?」という問題だと思います。
約30年内装業の仕事をしてきた親方の経験から、どんな風に仕事をとってきたのかを紹介します。
最近はインターネットという便利な媒体があるので、昔よりは仕事を探しやすくなっているとは思いますが、あえてネットが普及する前の営業方法も紹介します。
ネットでアピールするだけじゃダメなのかな?
お客様の中にはネットに疎い世代の方々もいますし、昔からの営業の仕方の方が信頼できると言う方もいます。
クロス職人として独立したいけど「どうやって仕事をとるのか分からない」という人は参考にして下さい。
元請け・下請け・手間請けの違い
クロス屋の仕事の受け方は、大きく分けて元請けと下請け、手間請けの3つに分かれます。
仕事の受け方によって営業方法が変わってくるので、まずその違いをみてみましょう。
元請け
元請けは、発注者から直接仕事を請け負います。
個人でクロス屋をしていると、知人や知人の紹介でお客様から直接クロス工事を依頼されることがあります。
元請けで仕事を受ける場合、お客様との打ち合わせ、見積書作成や材料の仕入れから工事、工事終了後には請求書を作成し集金をするまですべての業務を行います。
工事費用など売上金額は自分で決めることができ、利益を上げやすいメリットがあります。
下請け
建築会社など元請け業者から依頼されて工事の部分的施工(内装工事部分)を請け負います。
下請けで仕事を受ける場合は、内装工事部分(基本的には材料の仕入れも含む)だけを請負います。
この時、元請け業者になるのは主に建設会社、工務店など企業が多いです。
お客様との打ち合わせに時間をとられないので作業効率がよく、材料仕入れ分の利益も売り上げになります。
手間請け
内装工事会社などから材料支給でクロス施工の労務だけを請負う場合を「手間請け」と言います。
打ち合わせや材料を仕入れる手間が無く、労務だけに専念できます。
クロス職人として独立するスタートは手間請けから始める人も多いです。
クロス屋さんの営業の仕方
ここからは元請けと下請け・手間請けに分けて、具体的にどんな営業方法があるかを紹介します。
自分で仕事をするのなら、連絡先が分かるように名刺は用意しておきたいね。
元請けで仕事を受ける場合の営業方法
個人のお客様から直接依頼された場合、お客様の口コミや紹介で新たに仕事の依頼が来ることもあります。
自宅のリフォームをしたいと思った時に「どこに頼んだら良いのか分からない」人が多く、身近なリフォーム経験者から紹介してもらうといったケースです。
例えば、個人宅の工事を請けた場合、騒音などご近所の迷惑になることも考えられるので、挨拶を兼ねて周辺の家に名刺を配っておくことも営業になります。
事業所のある地元で仕事を取りたい場合は、知名度を上げるためにチラシを配ったり、広告を出すことも宣伝になります。
・知人からの紹介、口コミ
・とびこみ営業:個人のお宅に電話または直接訪門。
・チラシ:営業内容、連絡先などを明記したチラシを製作し、新聞に折り込んだり、直接ポスティングする。
・広告:新聞(地方紙など)や地域のフリーペーパーに広告を載せる。
・看板:事業所近辺の電柱や道路わきの看板に広告を掲載する。
・電話帳:タウンページに広告を掲載する。
・事業用の車体に屋号・電話番号をのせる。
・インターネット:ホームページ・各種SNSで仕事をアピール。
インターネットが普及する前までは電話帳で調べたり、新聞の折込チラシを見て、というお客様からの依頼が多かったです。
下請け・手間請けで仕事を受ける場合の営業方法
とびこみ営業:元請け業者になりうる企業に電話または直接訪ねて営業します。
直接訪れて営業する場合、担当社に取り次いでもらえないこともありますが、名刺は渡してもらうようにお願いしておきます。
インターネット検索:下請け業者やクロス職人を募集している企業に応募します。
下請けで仕事を探すときは、下記のような企業に営業します。
・建設会社
・工務店
・リフォーム屋
・不動産屋
手間請けで仕事を探すときは、下記のような企業に営業します。
・問屋・メーカー
・内装工事会社
工事内容はそれぞれの元請け企業によって得意分野があり、一般住宅・マンション・店舗など建物の種類や、新築・リフォームなど工事の種類は様々です。
営業する前にその企業がどんな物件を取り扱っているのかなど最低限の事前調査はしておきましょう。
クロス屋さんの仕事の取り方 まとめ
クロス職人としての仕事は、元請けで取るか、下請け・手間請けで取るかで営業をする先が変わってきます。
元請けで仕事を受ける場合は、個人のお客様が多く、営業からお客様との打ち合わせ、見積書作成や材料の仕入れ工事、工事終了後には請求書を作成し集金をするまですべての業務を行う必要があります。
しかし、工事費用など売上金額は自分で決めることができ、利益を上げやすいともいえます。
下請けとして仕事を受ける場合は、お客様との打ち合わせなどは元請け業者の仕事になり、材料の仕入れと工事部分を担当することになります。
材料の仕入れがなく、労務だけの場合は手間請けになります。
下請け・手間請けの工事費用は元請け業者から指定される場合が多いです。
その反面、打ち合わせなどに時間をとられることなく効率よく仕事ができる・仕事量が安定するなどのメリットもあります。