クロス職人の現場での悩みのひとつが「パテの粉をかぶる」ことではないでしょうか?
パテ粉は、吸い込んだら身体に悪そうだし、服を汚すし、そうじが大変。
そんな悩みを一度に解決してくれそうなのがドライウォールサンダー。
海外製の製品を目にする機会もありましたが、電動工具メーカーのマキタから「充電式ドライウォールサンダー」が発売されているので、使ってみることにしました。
この記事では、クロス職人歴約30年の親方が、実際に使ってみて分かった「マキタ充電式ドライウォールサンダー」のメリット・デメリットを紹介します。
「使ってみたいけど使いこなせるか心配。」「デメリットが多かったら使いたくない。」など、購入を迷っている人は参考にしてください。
ドライウォールサンダーとは?
ドライウォールサンダーとは、主に欧米で普及している内装下地処理の「ドライウォール工法」に使用される工具。
クロス職人はパテを平滑にする目的でドライウォールサンダーを使います。
これまでは手作業でやってきた「パテにサンダーをかけて平滑にする作業」に使うことで、作業がぐんと楽になる便利な道具です。
マキタのドライウォールサンダーは、充電式で電源コードを気にせず使えることから、最近クロス職人の間で使う人が増えています。
「充電式マキタドライウォールサンダー」の使い方
「充電式マキタドライウォールサンダー」の使い方は、難しくはありません。
①充電する
②集塵機につなげる
③サンディングペーパーをセットする
と、3工程の準備で使えます。
もう少し詳しく、順に見ていきましょう。
①充電する
「充電式マキタドライウォールサンダー」は、1回の充電で約40分の作業が可能です。
1回の充電で 具体的にはどれくらいの作業ができるんですか?
クロス400m〜500mを貼る新築1件分くらいなら、1回の充電で作業ができるね。
②集塵機につなげる
「充電式マキタドライウォールサンダー」は、集塵機とつなげて使うと、集塵率は約95%(※メーカーによる参考値)。
パテ粉をかぶったり吸い込んだりと、悩まされることがほとんどなくなります。
マキタ製の集塵機とならBluetoothで連動させることも可能。
手元でドライウォールサンダーのスイッチをON/OFFにするだけで、集塵機のスイッチも自動でON/OFFするので便利です。
集塵機は、掃除機のように床に置くタイプ、背中に背負うタイプなど種類があります。
床置きタイプの集塵機には、コード式と充電式があるので、購入時は確認してください。
背中に背負うタイプの集塵機には、集塵容量が2Lのもの、6Lのものなどサイズに種類があります。
購入時には集塵容量と重量などもチェックして、自分に合う集塵機を選んでください。
ドライウォールサンダーは、必ず集塵機につなげないと使えないのですか?
ドライウォールサンダーは集塵機につなげなくても使えるけど、その場合はパテ粉が周囲に舞い散ることになるね。
セットで使った方が作業効率が良いよ。
③サンディングペーパーをセットする
サンディングペーパーは取り替えられるので、使う場所や場面に応じて粒度を変えます。
私の場合、下塗りパテ後のサンディングは#80、上塗りパテ後のサンディングは#120を使うね。
サンディングペーパー1枚で、新築1件〜2件分くらい使ってます。
実感として、マキタ純正のペーパーは、値段の割にはすぐに使えなくなるので、コスパが悪い気がします。
代わりにMIRKA、Wallbordなど他メーカーの物を使っている人が多いよう。
MIRKA、WallboradのペーパーはM’s interiorさんで購入できます。
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を実際に使って分かったメリット・デメリット
ここからは、「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を、実際に現場で使ってみて感じたメリット・デメリットを紹介します。
ドライウォールサンダーを使うメリット
作業効率UP!
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を使う一番のメリットは、断然作業効率があがること。
今まで手作業で20分くらいかけてやっていたサンダーがけの作業が、グンと短縮されて4〜5分で完了しました。
広い現場や、納期が短い現場には、とてもありがたいですね!
パテの粉をかぶらない
パテを削る時に出る粉をかぶらないで作業ができるので、服も現場も汚れない。
現場の掃除が楽になるので時短にもなりました。
脚立に登らなくても天井のサンディングができる
ドライウォールサンダー自体に長さがあり、3mくらいまでの高さの天井なら、脚立に登らなくてもサンディングの作業ができます。
脚立の上り下りの動作が減るので、転倒のリスクも減ります。
充電式なので電源のない現場でも使える
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」は充電さえしておけば、電源がない現場でも使えます。
電源がある現場でも、電源の位置や他の工具とのコードの配分など、気を配らなくても使えて便利。
コードレスなので、コードを気にしないで動けることも作業がしやすいポイントです。
ドライウォールサンダーを使うデメリット
重い
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」はバッテリーを付けた状態で重さが約5キロと、重いです。
使い慣れないうちは筋肉痛になります。
値段が高い
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」は、集塵機とセットで買うと15万円前後~。
しかし、仕事の効率性や他のメリットなど費用対効果を考えれば、半年も使えば元が取れると思います。
隅の方や細かい箇所に使えない
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」は、サンディング面の形状が丸いのと大きいのとで、すみの方や細かい場所には使えないことがあります。
そのため、場所によって、手作業でサンダーをかけたり、ヤヨイ化学「楽雷5G」といった小さな集塵機付きのサンダーを使ったりしています。
慣れないうちは力加減が分らない。
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」に慣れないうちは、力加減の調節が分からず、うっかり削り過ぎてしまったこともあります。
サンドペーパーを交換した直後も、気を付けないと削り過ぎる傾向が。
微妙な力加減は使って覚えるって感じです。
使った面に粉が残ることがある
ドライウォールサンダーを使った面に、白くうっすらと粉が残っていることがあります。
(おそらくパテの種類によるのではないかと思っています。)
粉が残ってしまうと、その上にはパテやのりが付きにくくなってしまうので、ブロワーで吹き飛ばしたり、ほうきで掃いたりと、ひと手間。
しかし、手作業でのサンディングの手間と比べると、作業時間が短いので、ひと手間を考えてもドライウォールサンダーを使うメリットの方が、デメリットよりも大きいと感じています。
まとめ
最後にもう一度、「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を使ってみて感じたメリット・デメリットを振り返ってみます。
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を使うメリット
- 作業効率UP!
- パテの粉をかぶらない
- 脚立に登らなくても天井のサンディングができる
- 充電式なので電源の無い現場でも使える
「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を使うデメリット
- 重い
- 値段が高い
- 隅の方や細かい箇所に使えない
- 慣れないうちは力加減が分からない
- 使った面に粉が残ることがある
こうして見ると、メリットに比べてデメリットの項目の方が多いですね。
しかし、数々のデメリットをふまえても、以前の「マキタ充電式ドライウォールサンダー」を使っていない頃と比べると、使っている今の方が作業効率が格段に上がっています。
一度使ったら手放せなくなりますね!
作業効率とかより、パテ粉をかぶるのはいや。
ドライウォールサンダーがあって良かったです。













