「クロスとクロスの継目部分(ジョイント)が目立つ」とお客様から指摘をされることがあります。
クロス自体の幅とクロスを貼る壁面のサイズは違うもの。
クロスを何本も継ぎはぎして壁面に貼っていく以上継目が出てしまうのはある程度はしょうがないとは思うのですが…。
いやいや、ジョイントをきれいに仕上げるのが職人の技。
知識と経験がものをいうね。
ジョイントが目立つ原因は?
ジョイントが目立つ原因として考えられるのは、
- ジョイントのカットミス
- クロスの材質・柄
- クロスとジョイントに関する知識不足
主にこの3点です。
では、3つの原因を順番に見ていきましょう。
ジョイントのカットミス
ジョイントのカットミスの原因
クロスのジョイントのカットミス、さらに細かく分けてみます。
- カッターの刃が斜めに入っている。
- 定規からカッターの刃がはずれている。
- カッターの刃が強く入りすぎている。
- カッターの刃の入り具合が弱く、クロスが切りきれていない。
- 切りカスが残っている。
カットミスを防ぐには
カットミスをしないために気を付けていることは、
- よく切れるカッターの刃を使う。
- カッターの刃はこまめに替える。
- ジョイント用定規を使う。
カッターを使う時の力の入れ加減も大切なんですね。
クロスの材質・柄
同じように貼っても、ジョイントが目立ってしまうクロスはあります。
どんなクロスだとジョイントが目立ってしまうのでしょうか?
ジョイントが目立つクロス
クロス自体の厚みがあるクロスはジョイントが目立ちやすいです。
規則正しい細かい織柄のクロス、横柄のクロスはジョイント部分で柄がずれてしまうので、ジョイントが目立ちやすいです。
あとは柄物。
最近はキャラクターのプリントされたクロスも流行っています。
柄がずれないように貼ることが大前提ですね。
ジョイントが目立たないクロス
意外と薄くてツルツルしたクロスの方がきれいに貼れます。
クロスとジョイントに関する知識不足
クロスの性質を理解する
クロスは湿気を含むと伸び、乾燥すると縮む性質があります。
クロス貼り作業中は糊の水分でクロス自体は伸びている状態、それが壁に貼って乾燥すると縮むってことです。
クロスの材質によって伸縮率が違い、ほどんどが縦より横方向によく伸びる。
壁に貼り、完全に乾燥したクロスは貼る前のクロスより縮んでいる。
糊付け後にクロスが水分を含み伸びきるまでの時間を考えて作業を進める。
正しいジョイントカットをする
乾燥後に縮むことを考えるとジョイント部分を余裕なくカットしてしまうと目スキの原因になることは想像できると思います。
クロスのジョイント部分は重ね切り施工をします。
PBの継目とクロスのジョイントは重ねない
クロスを貼る土台になるPB(プラスターボード)も、湿気や乾燥で伸び縮みしたり、建物の振動によって多少動くこともあります。
PB(プラスターボード)の継目と、クロスのジョイント部分が重なってしまうと下地から隙間ができてしまうことも。
PBの継目にはパテ処理がしてあるので、パテの上にはクロスのジョイントが重ならないようにします。
ジョイントが目立つ原因として考えられるのは、
- ジョイントのカットミス
- クロスの材質・柄
- クロスとジョイントに関する知識不足
逆を言えば、カットミスを無くし、クロスの材質や柄を見極めて、正しい知識で施工をしたら、きれいなジョイントに仕上がるってことですね。